今月号本文P.2に「コスト管理の最も効果的な方法は業績をあげるものに資源を集中することである。(中、省略)問題は、コストの絶対額ではない。対業績比である。」とあります。
そして、『創造する経営者』P.86後段では、次のように述べています。
「いかに、コストが安く、効率的であっても、業績をあげないならば浪費にすぎない。機会の最大限の開拓こそ、コスト当たりの業績比を上げ、コスト管理と低コストを実現する王道である。」
更に、『マネジメント・フロンティア』(ダイヤモンド社)P.412では、
「企業にとっての最大の社会的責任は、コストを賄うに足るだけの利潤をあげることである。過去のコストと未来のコストを賄うものでなければならない。未来のコストとは、経済的、社会的、技術的変化の為のコストであり、明日の職場の為のコストである。」
『現代の経営【上】』P.116では、
「管理可能な支出として、設備拡張費、製品開発費、マネジメント関係人件費、販売促進費、教育訓練費etcを挙げ、これらの支出は、今日のマネジメントが決定する支出であり、その結果は明日の利益となって現れる。」と述べています。
また、別の著書で、事業予算とイノベーション予算を分けて言及しています。
ドラッカーの言うコスト管理は、売上アップのためのコスト、イノベ-ションコスト等を対象とした戦略的コストマネージメントを含むものと思われます。
従って、採るべき事業戦略により、鍵となるコストドライバーが異なります。
会計上 コストは量の関数である
経営上 コストは戦略と実行能力との関数である
コストを会計的分類から離れて、目的・視点から分類しそれぞれに分けてその必要性と適正化を決定、管理しなければなりません。
コストの区分とその管理及びコストドライバーについて別紙にて説明します。