「儲かっているのに、なぜかお金がない」とほとんどの社長さんが疑問に思っています。
現行の会計制度は、利益とお金の動きとが一致しません。そのため、近年CF計算書が導入されました。
CF計算書は、一会計期間のCASHの動きを営業活動、投資活動、財務活動の活動区分別に表示し、活動状況を表したものです。
即ち、当期に於いて営業活動によって、どれだけCASHを稼ぎ出して先々リターンの期待をもてる投資をしたか、資金の調達に無理はなかったか、を検討するためのものです。
直接法→営業取引規模が分かる 間接法→利益の内容が分かる
しかし、CF計算書では利益の内部蓄積状況の把握ができませんでした。
また、創業以来の資金収支の結果も表せませんでした。
これらの会計上の弱点を補強するために、資金収支決算書を提供していきます。
経営成績、財政状態が一目瞭然に分かるようになっています。
①P/LとB/Sをひとつにした決算書です。
②収入(調達)と支出(運用)=資金残高を表した決算書。P/LとB/Sの科目で表示。
③経営成績が分かります。
④財政状態が分かります。
⑤財政体質を強化し強い会社を作ることができます。
⑥創業時からの累積利益が、どのような状態にあるか分かります。
⑦資金の流れが明確に分かるCF業績表です。
資金を5つに分けて表示します。
会社に残ったお金を「利益剰余資金」としての「自社資金」と、「その他資金」の2つに分けます。「その他資金」は、性格と内容によって、さらに「長期固定資金」「営業立替資金」「短期流動資金」「調整資金」の4つに区分していきます。
①利益剰余資金
内部留保を含め、設立以来の損益を集めた資金です。この資金だけが自分で稼いだお金であり、本来会社に残るべき、残すべき性格のものです。会社はこの資金を最大にすることを目標におきます。
②長期固定資金
資本金や長期借入金を使って、設備投資し、商品在庫を持つなど、企業規模を拡大するサイクルの原動力となる資金です。固定資産の上手な運用、適切な調達はいい結果を次々と生み出します。一方、過剰投資や資金不足で会社が危ない状況に陥るのも、固定資産のつまづきが元です。最も注意すべき資金です。
③営業立替資金
売上代金の回収と仕入代金び支払いの差額により発生した資金で、サイトの勝ち負けと滞留がポイントとなります。
「勘定あって銭足らず」とは、「利益剰余資金」がプラスで、「営業立替資金」がマイナスの資金状態を表したものです。
④短期流動資金
短期的な資金の収入と支出の差額から発生した資金と、営業に直接関係のない資金と支出の差額です。
⑤調整資金
運転資金の過不足を調整する資金で、短期借入金と割引手形での資金調達が中心となっています。
資金収支決算書は貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)を1つにしたものです。
B/Sの内訳を並び替え、P/Lと合体したものが『資金別貸借対照表』と呼ばれています。
さらに『資金別貸借対照表』を反転させたものが『資金収支決算書』です。
『資金別貸借対照表』と『資金収支決算書』のフォーマットをご紹介します。
左が『資金別貸借対照表』、右が『資金収支決算書』です。
【資金会計】
1.資金の種類を(1)流動資金(運転資金)(2)固定資金(3)総資金 の3つに分け、その状態と運動を表す資金計算書を提供しています。
2.資金収支決算書は、流動資金と固定資金の状態を表し、企業の資金の安定度を金額で表しています。
その他運動を表す資金収支運動決算書も用意するとともに、総資金の運動を表す変動貸借対照表も提供しています。
3.さらに、資金収支決算書(群馬県の藤沼先生が考案)を改良して、資金の充実度、運転資金額を欄外表示するとともに、資金の状態をAA~Dで格付判定を行い、”資金指導”をし、資金の健全化に寄与しています。
4.まとめると、資金の種類に応じて次の資金5表を提供しています。
①直接法のキャッシュ・フロー計算書
②変動貸借対照表
③運転資金計算書
④資金収支決算書
⑤資金収支運動決算書